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2016年1月20日 (水)

難航したTS-820S

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ローカルさんから譲り受けたTS-820Sを整備してほしいとの事でお預かりしました。
何回もやっているので簡単にできると思ったのですが思いの外難航。

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まずは清掃。全面パネルのツマミ類は、前オーナー様がクリーニングしたようできれいですが、中身はやはり相当なホコリが溜まっていました

<受信系>

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VFOを回すとお決まりの発振停止。分解して、バリコンのアース接触板をクリーニング、バネ圧の強化を図ります。

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VFO発振停止は治り、受信するようになりましたがSメータがほんの少ししか振りません。調整用半固定抵抗は、接点復活剤をかけて修復した跡がありますが、完全に不良となっており、交換することにしました。500kΩと10kΩ、調整してSメータはOKとなりました。
<送信系>

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TUNEモードでもIPが過大に流れ、ファイナル真空管が妙な挙動をします。Cgバイアスの電圧を測定してみたらゼロ
これはダメです。
調べたところ、これもTS-820お決まりの基板コネクター接触不良。既に、メーカー修理でか、直接ハンダ付けした線もありました。(青い線)。ピンを曲げて接触を得るように修復。

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バイアス電圧を正常にしたところ、こんどはIPが流れにくいです。写真の通り、バイアス電圧がゼロになったことで過大な電流が流れ、真空管が不良になったものと考えられます。負荷がかかって管面内部が黒くなっているのがおわかりかと。

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手持ちの6146Bに差し替えてみると、パワーが出るもののやけにIPが流れてしまいます。これは、また先のTS-830と同じようにソリッド抵抗が不良かとおもいきや、そうではありません。 

なんと部品配置が誤っていたのです。


出荷当初からなのか、前オーナー様が触られたのかは不明。配線図通り正しくやり直ししてOKとなりました。

820_11

まだあります。TUNE, CW, FSKでのドライブが非常にかかりにくい状態が残っています。CARツマミをめいっぱい上げてやっとALCが少し振るといった具合。
キャリアユニットの2SC460交換と、IFT再調整でドライブがかかるようになりました。

という訳で、多臓器不全となっていたTS-820Sをなんとか蘇られることができました。

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無線機修理/リストア」カテゴリの記事

コメント

こんなにたくさんの原因が重なっていたら,普通はお手上げで廃棄になるのでしょうね^^;
さすがです.

投稿: JE1SGH | 2016年1月21日 (木) 14時45分

確かにそうかもしれませんね。
今回、動作するようにしましたけど、いつまた他の箇所に不具合が出てもおかしくない状態で、リストアの無限ループに陥る可能性があります。

投稿: JF3DRI | 2016年1月21日 (木) 22時53分

初めまして、京都のJH3KCD(sumi)と申します。

私は高校2年生で開局して現在も継続し、もうすぐ63歳になります。

 仕事は自営業でメーカーの制御基板の修理の仕事をしております。

修理の経過を拝見していて、私は修理を仕事にしておりますが
 私ならお手上げの状況だろうと思うところを、原因を調べて修理されているのに接して、私も修理作業を諦める事無く、頑張ろうと思う次第です。

ブログを楽しく拝見させていただいておりますので
 今後とも、宜しくお願いします。

投稿: JH3KCD | 2016年1月24日 (日) 09時33分

修理を仕事にされておられるなら、よくおわかりと存じますが、事業として利益を得ることを優先するなら、難航して時間ばかり掛かる機器は、深入りして修理しないで、きっぱり諦めることも必要かと。

こんなことしていたら、倒産してしまいます^^

投稿: JF3DRI | 2016年1月24日 (日) 22時36分

 太陽光発電所を所有しています。パワコンの保守は、セルフチェックして、問題の基板の交換だけでできます。これなら1日30台以上の修理ができます。
 これで、修理の採算が合います。

投稿: 太陽光発電所 | 2016年1月26日 (火) 20時19分

それはサービスマンじゃなくてチェンジマン。

基板ごと、ごっそり交換、ディスクリート部品までは追わない…基板を持ち帰って、基板専用のテスターがある別のラボで修復。今の電子機器修理の主流はそれですね。

最新の無線機もセルフキャリブレーション方式になっていて、ごにょごにょと隠しコマンドをインプットすると、そのモードになって最適値を自分のメモリーに書き込んで終了。測定器なんて不要。

ハローワークで「修理業ならできます」って言ったら「そんな職業は無く求人もない」とキッパリ言われたんでね。

投稿: JF3DRI | 2016年1月26日 (火) 23時01分

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