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2015年9月

2015年9月30日 (水)

FT-1000MP 送受できない

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YAESU FT-1000MP かつてはDXペディションで使われ一世風靡した機種ですね。修理するのは初めての機種となります。 どこか受信しているようだが、ダイヤル回しても変化せず、送受不能ということでお預かりしました。

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まずは初めての機種なので、回路ブロックやら配線図を入念に調査。70.455MHz⇒8.215MHz⇒455kHz⇒DSPという構成になっていることを理解。

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ダイヤルを回しても受信できないということは、ローカル発振器がNGってこと。0.1~30MHz、どこを受信してもNG、VCOは切り替わるが・・・。
スペアナで1st Local信号を見ると・・・こりゃダメだ。PLLロックしていない。

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そこで、ローカル発振部を重点的にスペアナ、オシロで確認。ひとつひとつ当たっていくと、VCOと位相比較する信号が全く来ていないことが判明。

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基板を外して、電源のみ供給しSSGから信号を入れながら、信号がちょん切れているところを探っていくと、なんと同調回路 (IFT) の所で途絶えていることが解りました。
外観からわかりませんがIFTのハンダ不良が原因でした。
再ハンダを行うことで、VCOはバッチリとロックし、正常になりました。

この機種を触ってみて、さすがに MP と名を付けていることだけあるなぁと。
私的には、大変良く出来ている無線機だと感じました。下記のようなこと。

・メンテナンス性に優れている。
⇒チップ部品使っているけど、詰め込みではなく余裕ある実装なので、
  修理は案外楽。

・内蔵SW電源は、ヤエスが設計したもんでなく電源メーカOEM品
⇒ICOMのスイッチング電源はNGだけど、信頼性ありそうなガッチリしたものが
  付いている。

・放熱板が余裕
⇒100W機でこれだけ大きな放熱板が付いているならフルデューティでも
  いけそう。FT-1000Dの放熱板は小さくて最悪。比較にならない。

・DC 12Vファイナル
⇒FT-1000D, TS-940, IC-775DXなどはIMD特性重視で28V系を採用して
  いるけど、どうしても壊れやすい。12V系の石は、特性重視ではない
  けど壊れない。
  ペディション等の悪条件でも故障せず、これだったら耐えそう。

・全体の質感が安っぽくない。


IFゲインが高すぎてセットノイズが多いとか、キークリックがあるとか欠点もあるようですが、これならまだ現役での使用に十分耐えうるな と感じた無線機です。

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2015年9月22日 (火)

FT-690mK2 FL-6020 パワー出ず

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YAESU FT-690mK2 パワーが少ししか出ない、音質がおかしいと言われたということでお預かりしました。オーナー様は、FL-6020を繋いでいるのに2.5Wしか出ないので、その後に50Wに上げるHL-66Vの入力ATT抵抗を削除して運用されていたとのことです。

まず、調べてみると殆どパワーが出ません。FL-6020の送受切り替えリレーも動作していないようです。細かく調べていくと、TXB(送信時に+Bが加わるライン)が送信にしても電圧がありません。

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左側の写真の赤いリード線は、HL-66Vのスタンバイを行うためにオーナー様が引き出したもののようです。このリード線をよく見ると、上蓋と本体の間から強引に引き出したため、挟み込みこまれて、リード線が破損し、シャーシとショートしてしまったようです。

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更にこのラインの回路を調べると、全面にあるコントロール基板から送信時のみ電圧が来るようになっていました。上記のリード線がショートしたため、ON/OFFするトランジスターが破損、電圧が来なくなったためと解りました。

このトランジスタは表面実装だし手持ちに無いため、オーナー様がジャンク品として同梱してくれた、もう一方のFT-690mK2から基板ごと移植することとしました。

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つづいて、FL-6020を診ると、本体に接触すべきバネが入った3本あるピンの1本が曲がっていました。歪んだまま、強引に取り付けたからと思われます。取り外して、なんとか修復することに成功しました。このピンはALCがフィードバックする端子のようです。

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FL-6020の中身も開けて目視チェック。問題はなさそうです。

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パワーが少なかったので、BPFを再調整することで、出るようになりました。このBPFか良くずれるようで、パワーが少ないといった症状のほとんどはこのズレのようです。

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最後に、HL-66Vのスタンバイ用電圧の取り出しですが、1kΩの抵抗を入れてショートしても内部のトランジスタが破損しないようにし、かつ挟み込みでリード線がショートしないよう、苦肉の策として、スピーカ取り付けビスを1本外して、そこから取り出すという方法としました。

古い機種なので、改造は問題ありませんが、現行機種を自分で改造した場合、メーカーは一切修理をしてくれないことがありますので、改造するときは、その回路がどのような回路か、ショートしても大丈夫かなど、きっちりと考慮する必要があります。

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2015年9月11日 (金)

IC-726 蝋の海に阻まれて・・・

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アイコム IC-726 約500kHzおきに送受信できないとのことでお預かりしました。

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照明ランプも一部切れており、オーナー様はLED化をお望みです。最初の写真と比較すると、電球とLED、いくら電球色LEDを使っても、多少の差が出てきますね。

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500kHzおきに送受不良となるのは、前回修理したものと同じく、DDS PLLループのロック外れでした。写真のコイルを伸ばすことで、帯域内でロックしました。調整は、かなりクリチカルでテクニックを要します。

この症状は、IC-726/721に多く発生するようですね。

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これで完了だと全体の動作テストをしたところ、22MHz以上で送信も受信もできません。調べたところ、この周波数帯のローカル発振出力が停止しており、メインループVCOが発振していないことがわかりました。

VCOユニットを開けてみたところ、写真の通り蝋の海。発振しない部分 (4つある一番左の部分ね) の蝋を掻き出して、原因を調べようとしたのですが、蝋の海が行く手を阻み、テスターで当たることもできず、どうしても不良部品を特定することができず、不甲斐ないですが、22MHz以上のバンド(50MHzはOKなので、24MHz帯と28MHz帯)修理不能となってしまいました。

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2015年9月 5日 (土)

IC-760PRO 整備

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ICOM IC-760PRO レシーブランプが消えて時々受信不能になる。その他、リチウム電池交換、LED化をお望みということでお預かりしました。

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受信不能になる件は、調べたところスケルチVRがガリオームになっていて、スケルチが勝手に聞いて受信できなくなるということでした。

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バックアップ用リチウム電池の交換。3V以上あり、交換の必要ありませんでしたが、メインCPU分とATU部の2つをCR2032+ソケット形式に交換。

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メーター照明ランプのLED化。Φ3の電球色高輝度LEDに拡散キャップをかぶせ、交換します。

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出力電力の調整。なぜだか、160Wも出てきます。これでは、電源が持たない、ATU破損、ファイナル破損、IMD特性劣化によるスプラッター増加が懸念されますので、再調整しました。

その他、動作確認、エージングを実施し完了としました。IC-760PROは筐体が大きく、修理しやすいリグだと言えますね。当局も現用しており、未だに手放せない無線機です。

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