2017年12月10日 (日)

TS-900Dライン フルレストア・・・その4(追加)

900_34_2

まだ続きです。
CWフィルターがロスが多くてNGになっていると、前の記事で書き、その旨をオーナー様に伝えたところ、新しいものを入手して送付するから、そこまではお願いしたいとのことで対応することとしました。

しかし・・・

  「交換しても症状は変わらない・・・」


うーん、おかしいなぁ・・・。というこで、再度じっくりとネットで検索してみたところ、YG-3395CはTS-900には対応していないことが判明しました。純正の型名はModel FFC-309-Jとなっており、配線図から解析するとクリスタルフィルターの入出力インピーダンスが大幅に異なっており、マッチングしないため大きなロスとなっていることが判明しました。

YG-3395Cのインピーダンスは2000Ωとハイインピーダンス、TS-900用のはリンクコイルで結合しているので、ローインピーダンスということまではわかりました。

通常なら時間や手間の都合もあり「フィルターが異なり、入手できないので修理不可能です」で終わるのですが、ここまでやって放置するのは、自分としても不甲斐ないのでなんとかならないかと頭を絞りました。

「インピーダンス変換してマッチングさえできれば、なんとかかるのでは?」

というこで、9:1の変換トランスとか考えたりもしたのですが、最終的にはTS-520のNBユニットのジャンクがあり、ここにIFTが付いていることに目を付けました。

900_31

900_20

このIFTは、3.395MHzに同調しており、一次側ローインピーダンス、二次側ハイインピーダンスであることは確かです。正確な数値はわかりませんがやってみることと。

900_32

900_33

幸いにも基板には余分なスペースがあり、取り付けることができました。

早速この状態でテストしたところ、コアの調整が必要でしたが、受信でSメーター1つ以内、送信は、ほぼ問題ナシの100WがCWモードで出力することができました。

TS-900の情報は非常に少なく、ネット上ではYG-3395Cが使えると書かれているところもあるので注意が必要です。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2017年12月 3日 (日)

TS-900Dライン フルレストア・・・その3(完)

900_20

CWフィルター、その他入手不能部品を除いてようやく完了が見えてきました。7MHz帯で110Wを出力し、終段管も元気てす。

⑦VFO-900S 発振停止

900_21

900_22

外部VFOですが電源も内蔵されていおり、本体VFOとのキャリブレーション(ゼロビート検出回路やスピーカー)も内蔵してある凝った作りです。

900_23

ところどころ発振停止します。TS-520/820で良くある症状で、バリコンの接触不良が原因。

窓が開くようになっているのは520/820と同じ・・・というか全く同じものを使っているようです。

900_24

IPAや接点復活剤を使ってこの窓から洗浄したところ、全域に渡って発振停止は無くなりました。この状態で電源供給し、スペアナで停止しないかをチェックしています。


⑧外観のお手入れ

900_25

ツマミ類、パネルを洗浄します。

900_26

900_27

金属光沢のある部分がくすんでいたので、金属磨きで研磨。きれいになります。

最終的には・・・

・CWフィルターの不良
・7MHz, 28MHz, 28.5MHz, 29.5MHz、それぞれの局発水晶不良


ということで水晶に関しては、特注してまで対応するかオーナー様と相談中で、一旦、完了と致します。長い道程でありました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年12月 2日 (土)

TS-900Dライン フルレストア・・・その2

900_18

つづきです。

③④音が割れる、ハム音が乗る

900_10

まずは電源を調べてみました。
配線図が見つからなかったので、目視。半導体回路の電源は、安定化していないようで、平滑コンデンサとチョークコイルのみ。特に問題は見当たりません。
安定化無しなので少しハムが出るのは仕様だと判断。

900_12

900_11

音が割れる状態をオシロで見てみました。音量を上げると右のようになり、歪んで聞こえます。はい、Peakで発振してますね。小音量だと大丈夫なので、プロダクト検波段まではOK、それ以降のAF回路に問題ありと判断できます。

900_13

900_14

AF基板を取り出して入念に目視チェック。発見しました、コンデンサの液漏れ
このコンデンサは、前段の電源デカップリング用コンデンサで、容量が無くなれば発振することは明らかです。

900_15

このコンデンサ交換で音質は正常、ハム音もうんと少なくなりましたが、他のコンデンサも、怪しそうだったので全数交換。こころもち、全体的な音質が良くなったよーな?


⑤VFO発振停止

⇒本体のVFOに関して、これは問題ありませんでした。

⑥CWフィルターの取り付け

900_16

900_17

TS-520と同じYG-3358Cです。オーナー様から同梱いただいたもの。
取り付けはハンダ付けが必要です。

そのまま取り付けてもナローとなりません。どこかにジャンパーやスイッチがあるのかと回路をさがしまくったのですがよくわかりません・・・。海外も含めてネット検索することでようやくわかりました。

   「右の写真のコネクターを逆向きに差し込む・・・」


これは意表を突いた方式でした。

しかし、このフィルターを取り付けたことでパワーが少なくなったり、受信感度が大幅に落ちてしまい、取り付けを間違ったのかなぁ・・・と4時間に渡って悩み続け、ようやくわかったのが・・・。

  「取り付けたCWフィルターが挿入損失が大きくなった不良品」


ということでした。ご勘弁願いたい・・・。

つづく・・・

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2017年11月29日 (水)

TS-900Dライン フルレストア・・・その1

900_00_2

TRIO TS-900D VFO付きのライン、レストア依頼がありお受けしました。
多くの修理箇所かあるので、何回かに分けて記事を書きます。
ざっと見たところ・・・

①7MHzが受信できない。
⇒局発が発振しておらず、水晶を交換する必要がある。

②バントスイッチ接触不良
⇒スイッチを洗浄する必要あり。

③AF音が割れて音質が悪い。
⇒AFアンプのトランジスターまたは電解コンデンサーあたり??

④AFにハム音混入
⇒これは最初から当機種はこのような仕様??
   AFを絞っても少しブーンとハム音がある。

⑤VFO発振停止?
⇒バリコンの接触不良?


⑥CWフィルターの取り付け依頼

送信系はテストしていないので、まだまだ出てくるかもわかりません。


①7MHzが受信できない。

900_01

900_02

TS-900は初めての患者さんです。プラグイン基板になっていますが、一つの基板内回路規模が小さいので、基板だけで単体テストが可能なレベルのため、修理はできそうです。

トラッキング機構が冠歯車で90度回転を曲げてバリコンを回す非常に凝った機構になっており、分解はできるのですが、その機構を良く理解していないと元に戻らなくなってしまいます。バントスイッチのシャフト回転位置、ギヤの位置を確認し、分解に臨みました。

900_03

ローカル発振ユニットです。
単体で調べたところ、やはり7MHz帯用の水晶が不良で交換しか方法がありません。


900_04

水晶は15.895MHz これはTS-520と同じ周波数構成となっているため、TS-520のジャンクから移植することにしました。


900_05

900_06


取り外し、交換してみました。発振はばっちりOKとなったのですが、水晶の負荷容量/発振回路が異なるせいか、15.892.5MHzで発振してしまいます。いろいろと調べ、なんとか発振周波数を上げることができないかとやってみたのですが、低い方へ持ってくることは簡単なのですが高い方へ持ってくるのは、他のバンドも絡んでいるため、どうしてもできなく、約2.5kHzのズレは目をつぶってもらうこととしました。

ついでに、悪名高き2SC460Bがバッファーとして付いてあり、足が黒ずんでいたので、こちらも交換。


②バンドスイッチの接触不良

900_07

アンテナコイル、ミキサーコイル、ドライブコイルも外れるようになっており、接点洗浄を行うこととしました。


900_08

900_09


洗浄前、洗浄後です。流石に、40年以上経つ機種なので接点が酸化しており、メンテナンスは必要なようです。

元に戻す組み立て作業に非常に難しくて時間を費やしましたが、この部分に関しては7MHz周波数のズレを除いて正常となりました。

つづく・・・・

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月16日 (木)

Transistor testerキット

Tr_00

Facebookのグループに書き込みが有ったのでAliExpressでAVR-Transistor testerというのを仕入れてみました。

Lc_01

価格は送料込みで2,000円以下、ケース付きバージョンです。10日少しで届きました。
取説も配線図も何も無く「ネットで調べてね」という大人のキットで多少戸惑いましたが、見つけることができました。

組み立ては数時間ってところでしょうか。欠品も覚悟の上だったのですが、幸いにも大丈夫で一発動作しました。AVRのプログラムはオープンソースになっているようですし、中国製で、いろんなクローンが販売されているようです。

Tr_05

トランジスター、FET、サイリスター、トライアック、ダイオードの測定の他にいろんな機能が付いています。

液晶はTFTでフォントとバックを好みの色調にすることもできます。

Tr_02

Tr_03

連続可変はできませんが発振器としても動作しました。

Tr_04

最初の写真はMOS-FETのBS-170を測定したもの。左の写真は一般的なバイポーラーを測定したものです。

不良であるかの判断と、ピンアサインを自動的に判断してくれるのでなかなかのスグレモノです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年11月15日 (水)

R-599S / T-599S メンテナンス

599_00

TRIO R-599S / T-599S 599ラインの修理、メンテナンス依頼です。この機種は初めてですが、デザインが良いと熱心なファンが多いようですね。
TS-520より古くからあるので40年は経つでしょうか。

・オーナーさんは、別OMさんより譲っていただいたもの。
・T-599Sは送信すると、IPメーターが振り切る。
・R-599Sは受信するが総合的なチェックと動作確認。


とのことです。

<R-599S>

599_01

599_02

599_03

まずは目視でチェック。VFOランプが切れていましたのでLED化しました。


599_04

マーカー発振周波数が結構ズレていたので再調整。


599_05

50MHz / 144MHzを28MHzに落とすクリコンが入っていて受信可能です。この部分も動作確認致しました。

その他、スイッチの接触不良が多数あり、洗浄および接点復活剤で対応致しました。各バンド毎のトラッキングも診ましたが大きなズレは無く、品位が高い個体でした。

AMフィルター、CWフィルターも内蔵されおり、特に41m帯のコマーシャル局のBCLは音質も良くトリオの機種としては珍しい感じです。

<T-599S>

599_06

まず、目視でチェック。IPが振り切れるのはファイナルカソードに入っている検出抵抗が怪しいのは、これまでの経験から診ると・・・交換した形跡があり、そのハンダ付けがダメ、いわゆる「天ぷらハンダ」状態でした。

ハンダ付けのやり直したところ、振り切れは無くなりパワーは出ることを確認。

599_07

高圧電源回路の電解コンデンサーに抱かせてある470kΩが600kΩ以上になっていたため、交換。


599_08

599_09

とりあえずパワーは出るのですが、VFOを回すと不安定なところがあることを発見。バリコンローターのアース側接触不良でTS-520/820で多発する症状と同じです。全分解は大変であり、他の不具合を産む可能性があるので、隙間から綿棒、ピンセットを使って洗浄、接点復活材塗布を実施しました。いわば「腹腔鏡手術」です。

送信側のVFOはあまり使わないので、回すことが少なく、このようになる確率が多くなっているのではと思慮致します。

599_10

599_11_2

送受繰り返しテスト(少なくとも100回は実施します)をやっていると、20回に1回程度、送信しないことがありました。こういうのは原因特定がすごく難しいのですが、回路を確認し、リレー接点が接触不良を起こしていることがようやくわかりました。

リレーは交換品が無いので、接点洗浄で対応。問題は無くなりました。

599_12

599_13

最後にR-599/T-599を専用ケーブルにて接続、トランシープ操作ができるかをやってみたところ、受信が全くダメ。おかしいなぁ~、リレーは洗浄したし・・・・。

ながいこと悩んで調べたところ、なんのことは無い送信機から受信機に渡る同軸ケーブルのMコネクター内部でハンダ付け不良となっており、やり直すことでようやく完了となりました。

やはり40年以上経つ無線機はいろいろと不具合が出るようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月24日 (火)

FT-1000MP バックライトのテープLED化

1000_10

また連チャンでFT-1000MPです。不思議と同一機種が連続というのが良くあります。「パックライトが点灯せず、何も見えない」との修理依頼です。

1000_11

当機種はCCFL(冷陰極管)を使っており、その駆動インバーターが故障する例はあちこちで見かけます。全面パネルに付いているその部分を取り出してみると、トランジスタに密着させている温度ヒューズが溶断していました。

1000_15

温度ヒューズが入手困難であり、交換してもまた飛ぶ可能性もあるため、大手術になりますがテープLEDを用いたLED化をすることとしました。

5050タイプ300個付いて5mある物です。クルマの電装関連で多く使用されているようですね。

1000_12

LCDまでのアクセスはコネクターが多数あって結構大変。間違わないようにする必要があります。

1000_13

1000_14

CCFLはこんなカタチで取り付けられています。markⅤとは少し異なるようです。

1000_16

テープLEDは3個単位で切り離すことができるので、CCFLに合わせてみると、どうしても1個余ってはみ出してしまうことになりますが、スペース的には大丈夫でした。

合計18個のLEDを使うことになります。

1000_17

仮に取り付け、ムラができないかテストします。

余ったLEDとエッジは遮光しないと光漏れが発生するので、黒テープで遮光しました。これもカットアンドトライが必要で、簡単にはいきません。

1000_18

問題ないことを確認後、組み立てます。不良のインバーター基板はそのまま取り付けておきました。

ディマー調整もテストしたところHighで11.5V, Lowで9.0Vとなり、明るさの調整もOKです。

1000_19

色合いが少し黄色くなってしまいましたが、うまくいきました。

当個体は電源が不良となっており、外部DC電源動作となっています。電源は触れないので、その他の部分のチェックを実施し、問題ないことを確認して完了としました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月17日 (火)

FT-1000MPパネル交換

1000_00_2
 YAESU FT-1000MP 全面パネルを交換して欲しい、ダイヤルの回すトルクを少し重くして欲しいとの依頼です。

1000_01

オーナー様が入手された全面パネル。

1000_02

取り外しは結構めんどうでした。

1000_03

手配されたパネルの「STO」ボタンがかすれているため、現行のものを取り付けてておいて欲しいとの要望もありました。

1000_04

取説に記載してある通り、巻きつけてあるバネを右に回す(ブッシュの締め付けを強くする)と重くなるのですが、プラスチック製のブッシュ自体がすり減っているのか、あまり重くすることはできせんでした。ブッシュを逆向けに取り付けたりもしたのですが少し重くなったのみで、これはいたしかたないようです。

その他、各バンド毎のパワー、感度、リファレンスなど、問題ないことを確認し完了としました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月 9日 (月)

全市全郡コンテスト 2017

Acag3

例年のごとく、ACAGにC50Hで参加しました。夜中のGWのコンデションは良くなく、十分な(??)睡眠を取ってしまいました。

毎回苦しめられるノイズが比較的少なかったからか、昨年よりスコアは伸び、楽しむことができました。コ-ルいただいた各局、ありがとうございました。

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2017年10月 7日 (土)

FT-901DM 再修理、蝋の海探査

901_00_2

FT-901DM 最終モデル。2015年4月に修理した同一個体です。
症状は、7MHz帯がアンロックして働かない、ALCメーターが振れないとのことです。

<7MHz帯送受信不能>

901_02

901_03

スペアナで調べていくと、7MHz帯のVCOは発振しているものの、ロックしていません。これは前回10MHz帯で発生していたのと同じなのではと、蝋の海を発掘すると出てきた遺跡は・・・その通り、スイッチングダイオードが割れていました。

どうしてスイッチングダイオードが割れるのか???  蝋の海が原因とは考えにくく、製造時に10MHz帯のも含めて、何らかの機械的ストレスが加わっていたのではと推測されます。

とりあえず、その部分の蝋を除去しておきましたが・・・。

交換することで、PLLロックするようになりました。併せてロックレンジの調整も実施。

<ALCメーター振らず>

901_06

901_05

ALCメーターフルスケール(ゼロ点)調整VRが、不良で完全に断線していました。

901_07

このタイプの半固定抵抗は無いので、足を伸ばして現行品を取り付け。

901_08

正常に振るようになりました。
YAESUのALCは、TS-520/820などと違ってIgをトランジスターで検出する方法ではなく、かつALCメーターは逆ブレとなるので、時々混乱してしまいます。






その他、エージングし一通りテストし問題無いことを確認して完了としました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«TS-780 いろいろ修理